吉村眞由美:日本における足育の現状.日本靴医学会第37回学術集会 2023年9月2日(仙台)
発表抄録
「足育(あしいく)」とは、「●育」の大流行の中で生まれたものと考えられる。その筆頭である「食育」は、平成17年6月10日、第162回国会で食育基本法が成立し、同年7月15日から施行され、今年で19年目を迎えようとしている。ちたみに、この法律が制定された目的は、「国民が生涯にわたって 健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるようにするため、食育を総合的、計画的に推進することにある」と示されており、学校教育ばかりでなく、社会人に向けた食育など、企業も一丸となった社会向け啓発が行われるようになった。それに呼応するように、従来は家庭科教諭が衣住分野とともに担ってきた食物に関する教育を、食育教諭という教職の専門分野が設置されるなど、食育の重要性は日本中の産官学のあらゆる場面で注目され、進展し続けている。
また、似た言葉に、同じ文字で読み方が異なる「足育(そくいく)」がある。これは、靴製造業のアキレスが商標権を取得した言葉であり、「成長過程の子どもの足には極力負担をかけず「はだしに近い感覚で歩くこと」、そして「人間が持つ足本来の機能を取り 戻し、足の正しい育成を促すこと」、これこそが足を育てる=「足育(そくいく)」 というアキレス独自の理念です。」と表明している。つまり、一企業のものづくりやブランディングに関する用語として定義づけているので、一般用語を考えるこの場では、取り上げないこととする。
本講演では、日本における一般用語として使われている「足育(あしいく)」という言葉と関連する活動、すなわち営利活動・啓発活動・教育活動・保育活動などを紹介し、日本における「足育」の現状について、足と靴の教育の専門家(シューエデュケーションの普及、シューエデュケーターの育成を目指す)である筆者なりに定義し、総括してみたいと思う。
大変大きなテーマを頂いた、足育と言ってもビジネスで行っている団体や個人もいれば、靴を売っている会社もある。また公立学校や保育施設で行っているケースもあり、まとめることは難しかった。分類してそれぞれについて解説し、自分なりの解釈を行う講演となった。講演で紹介した分類図を紹介する。
