握力が弱く、巧緻性が未成熟な幼児に適した
「片側ベルト靴の正しい履き方 4ステップ法」
(吉村式エルゴメソッド)
を提唱しています。
2016年8月28日に、この履き方の意義、必要性、具体的な指導法について、関連学会で研究発表を行いました。
- ◆参考文献
- 吉村眞由美:発達段階に合わせた幼児向け靴教育(1)−ベルト靴種別履き方指導法−,
日本幼児体育学会第12回大会講演要旨・研究発表抄録集,pp.92-93,2016.
『片側ベルト靴の正しい履き方 4ステップ法』
(1) 概要のご説明
この履き方は、
- 日本の子ども靴の主流である片側ベルトの運動靴の機能性を最も有効に引き出し、
- 足の快適性と安全性を高める新しい履き方で、人間工学に基づいた手つきと順序で構成されています。
イスや段差に座って、必ず両手を使って留め具を操作します。
(2) 具体的手順と留意点について
★右足の場合
- ステップ1「足を入れる」
- (左手でベルト1の先端を持ち、上に引き上げます。右手で靴のタン(ベロ)を持ち上げて履き口を大きく広げます。)
- ステップ2「かかとをトントンする」
- (足を入れて、かかとを地面にトントンと打ちつけ、足を靴の後端に揃えることでかかとを安定させます。)
- ステップ3「左右のベルトを強く引き寄せる」
- (左手でベルト1(凹側・フワフワ)の根元をしっかりと握ります。
右手人差し指・中指でベルト2(凸側・チクチク)を、ベルト1の方向に引き寄せて強く押さえ込みます。)
- ステップ4「ベルトを留める」
- (Cで握ったベルト1を、強くベルト2方向に引き、Dの指を離さないように押さえ込んだまま、手首を回転させながらベルト2の上にしっかりと留めつけます。)
★左足の場合
上記を参考に、右足の逆手で行います。
この片側ベルト靴の正しい履き方は、
少年写真新聞社発行の小学保健ニュース(国内小学校の7~8割が定期購読中)
NO.1090(2015年12月18日号)に
「間ちがったくつのはき方をやめよう
手を使わずにはくと、くつの中で足が動いてつかれやすくなります」
としても、すでに掲載・発行されています。(参照先リンク)
(3) 年齢別指導法
- 0-2歳
- 大人が教えながら履かせます。この時、必ずしっかりと固定させることで足の安定感、歩行の快適感を体感させ、正しい靴の履き方をした時の快適な「足の感覚」を覚えさせます。
- 3-5歳
- 子ども自身に靴履きのための動作や操作を教え、毎回自分で繰り返し行わせることで、日常生活動作として確立させます。
大人は見守りに徹し、急がせたり、否定的な言葉掛けをしてはいけません。必ず最後に留め具合を確認し、不十分なら「仕上げ留め」を行い、適正な操作動作ができるよう促します。なお、この履き方は、基本的に座って行う、もしくは、しゃがんで行うと、楽に速く行えます。
手荷物を置く台や、腰掛けられる椅子や段差がある場所を確保し、行うようにしましょう。もし、立ったままで履かなければならない場合は、なるべく上記に近い環境を作り、動作やベルトの固定が雑になったり、足の甲に対する密着度が落ちたりしないよう、十分に留意しましょう。
- 参考情報:
- ひも靴の正しい履き方は
少年写真新聞社発行の中学保健ニュース(国内中学校の67.7%が定期購読中)
NO.1663(2016年8月8日号)に
「足にフィットする正しい靴の履き方「5ステップサイクル」
足と靴のかかとを合わせ、ひもをしっかり結ぶ習慣をつけよう」
として、すでに掲載・発行されています。(参照先リンク)